文献登録番号1834
種目ダイビング
研究領域講演録
文献タイトル和文:海の遺跡を調べる−ダイバーにも知ってほしい海の遺跡の本当の姿−
英文:
キーワード和文:水中遺跡,水中考古学,ダイビング
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著者名和文:林原利明
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著者所属先和文:アジア水中考古学研究所
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発表年月日2010年
掲載誌和文:JCUE BOOK 2010
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掲載箇所(巻・号)25-31ページ
要約ダイバーを対象とした講演において、「水中遺跡とは」「水中考古学とは」「水中遺跡の研究のあゆみ」「水中遺跡と水中考古学を取り巻く環境」「水中遺跡・水中考古学に対してダイバーができること」について述べた。考古学でいう遺跡とは、人々の活動の痕跡の総称であり、集落遺跡、墓地遺跡、水田遺跡などがあり、構造物を遺構、道具を遺物と呼んでいる。水中遺跡は「常時水面下にある遺跡」と定義されている(文化庁,2000年)。水中考古学は考古学の一分野であり、人々が残したモノから人々の活動を復元し、それを歴史的に評価する学問である。日本での本格的な水中遺跡の調査は、1974年から5年間にわたって実施された北海道江差町沖の開陽丸の調査や1980年代の長崎県鷹島沖の鷹島海底遺跡調査である。2009年には水中にある文化財の保護・保全に関する「UNESCO水中文化遺産保護条約」が発効し、水中遺跡を取り巻く環境は変化しつつあるが、日本では水中遺跡や水中考古学が十分に理解・認識されていない。専門的に研究する公的な機関はなく、専門的に学べる大学もない。水中遺跡(水中文化遺産)を明言した法律や遺産のデータベースもない。ダイバーが水中遺跡・水中考古学を正しく理解し、それが水中遺跡の発見や保護、活用につながることを期待したい。
グループ千足耕一研究室
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