文献登録番号1836
種目その他
研究領域紀要論文
文献タイトル和文:我が国のドルフィン・スイム(イルカ介在活動)の現状とその課題 −ヒアリング調査より−
英文:
キーワード和文:イルカ,イルカ介在活動,ドルフィン・スイム
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著者名和文:市川 緑
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著者所属先和文:大阪経済大学
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発表年月日2011年
掲載誌和文:大阪経大論集
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掲載箇所(巻・号)第61巻・第6号・63-78ページ
要約一般にアニマルセラピーと呼ばれるものは、動物介在療法と動物介在活動に分けられる。ドルフィン・スイムのようなイルカ介在活動は、動物介在活動のひとつである。出口(2002)によると、イルカ介在療法は、療育、心身機能の改善、QOLの向上を目的とするものであるが、必ずしも治療を目指すわけではなく、対象に応じた工夫が必要であるという考えが示されている。イルカ介在活動は、多くは海または海の近くで行われるため、自然療法の側面を持ち、非日常的な気分転換という意味でも、リラクセーション効果が期待できる。一般人を対象としたイルカ介在活動は、イルカ介在療法と比べ、多く実施されているにもかかわらず、イルカ介在活動に関する研究報告は寺山(2003)の研究のみである。一般人を対象としたドルフィン・スイムの心理的影響を調査することは意義があると考えられるが、その前にドルフィン・スイムの現状を明らかにし、課題について検討するべきである。ドルフィン・スイムなどの動物との触れ合いには、人のメンタルヘルスへの効果だけでなく、野生動物や自然環境問題について考えるきっかけとしての意義がある。イルカの飼育については、感情論で否定するのではなく、飼育環境を整えて繁殖を成功させ、イルカが介在したプログラムを体験した人々が、野生イルカやその住む環境についても考える種を持ち帰ってもらえるように工夫する必要がある。今後は、イルカとの触れ合いについて、健康促進という側面だけでなく、環境教育面での客観的な指標を用いた研究が求められる。
グループ千足耕一研究室
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